やはりこの話題で真っ先に浮かぶのは芥川賞も受賞したピース又吉直樹の「火花」でしょう。

芸能人が小説を書くというのは珍しいことではなかったことですが、やはり文学賞を取ることは栄誉なことであります。

私が最近、読んだものだとオードリー若林の「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」はとても良い作品でした。小説ではなくキューバを舞台とした旅エッセイなのですが、若林の考えていることや感じていることがよくわかる作品でした。終盤では感動的なものもあり涙がでそうにもなりました。

先にあげた2人は読書芸人としても知られているので作品を出すことに違和感はないでしょう。

私の考えとしては芸人が作る漫才やコントのネタの作り方はおおまかに言ってしまえば、小説などの文芸作品にかなり近いと感じています。

ネタは口で語るショートショートストーリーであるため、あるひとつのテーマから笑いを生みだしていく。もしかしたら笑いを生みださなければいけないという意味ではネタ作りのほうが難しいのかもしれません。

芸人は常に観客からのレスポンスを肌で直に感じています。ウケていれば笑いが起こるし、すべっていれば会場は冷ややかになります。この感覚は表現者にとってとても大事なものです。

特に笑いは人の感情のなかでも本当に面白いと思わなければ湧いてこない感情です。
本当に面白いものを作らなければいけないというプレッシャーを感じ、ネタを磨く。

もちろんセンスが問われる部分もありますが、ここまでにシビアな世界に生きる芸人は常に表現と向き合っています。


これらの表現(笑い)への貪欲な渇望と絶えずつきまとうプレッシャーは文芸作品のなかで光っていくのでないかと思います。

小説家に限らず、物書きという仕事は自分自身は名乗ってしまえば職業になります。
(売れている、売れていないに関わらず)
これは芸人も同じことです。似たような境遇の2つの職業がより密着度が高いため、親和性も高いのも要因ではないでしょうか。